平成22年度飯豊連峰保全連絡会 合同保全作業



実施日 平成22年10月2日(土)〜3日(日)
作業所 梶川尾根(トットバのカッチ:扇ノ地紙直下)・丸森尾根(丸森峰上部・下部)
参 加  58名(当会からは、中村:NTRさん、LTQ))
宿 泊 門内小屋・小屋下の指定幕営地

 朝朝、梶川峰方向を見上げる。気持ち良い朝だ。  湯沢峰で一休み
   
 朝日をバックに新潟山岳会の3名の方々  HZUから現説・作業手順の説明
   
 埋まったtakedaダム(上)と新設した、第二takedaダム(下)  見事に埋まったtakedaダム
   
梶川峰を振り返る   最初の実験地にネットを掛け直し、観察と見立ての説明を受ける
   
 今宵の宿、門内小屋  夕日で浮かび上がる新潟側の山々、先にはボンヤリと日本海
   
 テン場での宴会いや、懇親会か・・・  おっ?もう、朝か?いやめぇったなぁ〜麦のバファリンは?
   
 門内清水は健在でした♪  胎内尾根と二王子岳、左奥は五頭連峰
   
 ピークは地神北峰。左に向かう稜線は北への縦走路  流水を弾く石を配し水流方向を左に曲げる意図で石・麻袋を設置
   
 さて、どこまで土砂の移動をコントロールできるか?  HZU、もっと疲れた感じが欲しいんですケド・・・んだか・・やらせです。
   




以下作業中
 日時                    事柄
平成22年10月2日
03:55 集合場所発
05:10 天狗平ロッジ着          食事
06:25 同上発
08:07 湯沢峰着              休憩  いい天気だ・・・暑い
08:55 滝見場               
10:59 トットバのカッチ          作業地到着:昼食後作業、作業しながら上部へ移動
14:45 扇ノ地紙下の作業終了
15:15 扇ノ地紙通過
15:30 門内小屋着


平成22年10月3日
05:30 起床  寝坊ですなぁ      眠い 麦のバファリンを服用  門内清水に水汲み 水量は安定していた。
07:10 遅れ時間で出発
08:45 でも、かなり早く作業地上着  作業しながら下山、夫婦清水で昼食(12時頃着)
14:00 天狗平ロッジ着
15:00 天狗平ロッジ発


概要
平成22年度飯豊連峰保全連絡会の対外的にメイン事業である合同保全作業ですが、今年は梶川尾根のトットバのカッチと丸森尾根の丸森峰下部をメインに
作業した。概ね昨年の継続的な作業であり相当数の参加者が経験者であり皆さん手なれたものだった。
私達下越山岳会からは、中村(NTR)さんとボクの2名でしたが、些か考えるべき点はあるように思う。
こういう合同作業を伴う行事は、ヤマの仲間との親交・交流を深める良い場であるし、色々な面でヤマ仲間は多い方が良い。
この作業で年に一度しか会わない方もいらっしゃいます。こんな意味からも良い場であると思います。
飯豊つながりで集まったみんなの繋がりが深く広くなった感じを強く受けた平成22年度作業でした。



記録

朝4時少し前に集合場所に着く。NTRは既に到着。早々に出発する。NTRは前日まで富山県へ出張だったので朝早い発ちは少し辛いところだろう。
順調に進んで予定より早めに天狗平ロッジに到着した。前泊組も概ね起きているようだが・・・?
朝食を食べているうちに、徐々に参加者が集まる。

LFDの進行で、HZUの説明を受け出発。素晴らしいお天気だ。
作業場所はトットバのカッチ。三本樺の上部である。ここら辺では頭と書いてカッチと呼ぶ。トットバ沢の源頭部という意味だろう。その他単純にピークを指す
場合も頭と書いてカッチと呼ぶ。

梶川尾根ルートに取り付く。今回のザック重量は20`位。久しぶりの重さだ。
この尾根の登り方としては、五郎清水までは無理しないこと。
特に、登山口〜湯沢峰まで、滝見場〜五郎清水の区間は辛い区間だ。無理をすると後々祟るのでノンビリ歩くのが得策。

素晴らしい天気の中少しづつ高度を上げると蔵王連山、朝日連峰が青空に映える。
ヨクヨク眺めると、鳥海山、月山が朝日連峰の間から望めた。

トットバのカッチの現状は荒れた旧道は閉鎖し現在は笹藪を切り開いた新道を使っている。
しかし、新道の表土が流失が始まってしまった。

このため、傷んだままの旧道に手を入れて土砂の移動をコントロールし、回復したら、新道を閉鎖し旧道を使用できたら。
という算段。将来的には旧道と新道を交互に使えるようになれば。という構想である。

HZUから現場の説明を受け食事。食後作業にかかる。経験者が多いため、やり方も手なれたもので数人単位で石ダムを構築していく。
ボクの施工場所については、水道(ミズミチ)を変えるべきか?少し考える必要があったのでニュージェックの川端さんに教えを請う。
水道は変えずに段差、落差を利用して流速を落とす方法を採用することにした。

みなさん施工が終了すると上に移動して石ダムを構築していく。
梶川峰のケルン下付近でも手直しを行う。takedaダムは見事に土砂が溜まったので、第二takedaダムが構築された。この土砂の溜まり方なら近い将来
登山道として復活できるかもしれない。
作業をしながら、更に上部へ移動する。

ガリー浸食の著しい梶川峰上部で既に風化した植生回復ネットの跡を皆さんで検証。
登山道の脇の崩れかけている個所に新たに植生回復ネットを張った。
既に植生回復ネットが風化しているので、誤って登山者が通行しそうなので新たに植生ネットを張り石を置いた。
山形大学農学部森林影響学研究室の菊池先生からネット上の石を置くことの効用、ある程度の大きさの石(20センチ)程度以上が
望ましい。事等を教えて頂いた。

ここで、日帰り隊の天狗さん、koizumiさんは残念ですが下山です。
この後は、今宵の宿を目指すのみ。
稜線の風景を楽しみながら門内小屋に向かう。
小屋下の指定テン場でテントを張る。40人程度が目一杯の門内小屋に50人以上は無理なので
小国山岳会メンバー・中条山の会の亀山さん、ボク達でテントを設営した。
Dr松橋先生の進行で自己紹介やらグループ紹介やらで、小屋内はワンコワンコの賑わい。
ノリの悪い、下越山岳会2名、seidaさん、亀山さん、イワユル阿賀北のしょは夕日が落ちる静かな風景を楽しんでいるのでした。

しかし、このノリの悪さというのは長時間耐えうる持久性を持ち合わせるものでした。
テン場に徐々に人が降りてきて、大きな車座でワイワイとやらかす。

時間が経過すると、バッカスに魂を渡した者が続出し小屋まで搬送される方も・・・・
暫くすると、肩を組んで懐メロを絶叫するグループが登場・・・・
ノリの悪いLTQと亀山さんは目をテンにして、「ナニゴトでしょうか?」「」何か新しい宗教の方でしょうか?」
我々とは違う人種の様なので、まあ呑みましょう。

異様な歌声騒ぎが一段落し、小用を足し現場に戻る
と・・・・
何という惨状なのだろうか?
鬼と悪魔が飲み比べをした様な有様。

これは・・・イカン。
お天道様にはこの惨状は見せてはならぬ。
まして、通りがかりの登山者には絶対に見せてはならぬ。
みんな、片づけよう!これで、雨風に曝されたらエライこっちゃ。

てんで、真夜中に片づけをごしょごしょ。
これで、眠らないのがノリの悪い人たち。
あ〜片付いたね。
ほんじゃ〜テント内で呑みますか?

てんで、時計は日を跨ぐ。




ん?
ナンダもう朝か・・・・チクショウ〜
計画では6時発か・・・・もう、5時30分じゃんか・・・・
やや頭痛もあるしぃ〜
バファリンでも飲むか・・・・芋バファリンはないし・・・麦バファリンを服用。
小屋でも遅れ案配で結局、皆同じ足並み。

ボクの予想は見事に外れ夜中にも風は吹かず、雨もなし
暖かい上天気の朝。
テントに朝露さえついていない。
早々に後片付けをして出発準備完了。

これまた、気持良い朝の稜線を進んで地神山、北峰を通過する素晴らしい景色だ。
丸森峰に向かい下る。NTRと岩についてハナシながら下る。
梶川尾根はほとんどが花崗岩であるのに対し
丸森尾根は基本花崗岩であるものの、頁岩・チャート類?のような堆積岩が結構ある。
これが、ゴロゴロした転石帯がある要因と思う。
丸森峰に近づく・・・昨年の施工場所はほとんど保たれている。一部手直して下部に移る。
丸森峰下の登山道は大きく抉れている個所があるが、補修材料が乏しい。つまり石が少ないのだ。

今回の試みとして、借受登山道に進入した支障木を切り土砂の流失を停める材料とした点である。勿論、この作業は置賜森林管理署の確認
を頂き行ったとのことである。よって違法性はないので誤解のないように。
さて、ボクは石組は多少馴れているが、伐採木を使った作業は不慣れでうまく施工できなかった。
来年、効果を是非見てみたい。

夫婦清水で昼食を採り下山とする。
夫婦清水から一気に天狗平ロッジまで下り
閉会の挨拶、事務局からの謝辞等を頂き解散。

多分、梅花皮荘の風呂は混んでいるだろうと、隣接川入荘に行く
そうすると、救助隊の舟山さんがお仕事中。
少し話して入浴し帰途についた。

この後に及んで
まだ、天狗平ロッジで反省した強者が居たとか居ないとか・・・・
お疲れ様でございました。

皆様、お世話になりました。
また、飯豊で。



コメント
全く以て、一般登山者が門内小屋に居なくて良かったです。
北アの娑婆では19時30分で怒られるのに・・・
門内周辺は無法地帯と化していましたから・・・・
と、まあその点は置いておいて

少しづつだけど結果が出ている様に思います。
継続的に監視ししながらより良いかたちで登山道をみんなの力で維持できたら素晴らしいことと思います。

また、一緒の釜のメシを喰う・・・・そいう例えがありますが、共通目的で作業で汗を流して同じメシを喰い、酒を酌み交わす
こういう事で仲間意識が醸成されると思う。
新潟・山形・福島の関係三県の関係登山者が仲間意識を以て山に関わることは素晴らしい事と思う。



ホスト山岳会の小国山岳会の皆様感謝申し上げます。


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